口腔外科
親知らず(智歯)について
「親知らず」は、上下左右の「第3大臼歯」であり、「智歯」であり、正中から8番目の歯です。
大昔の人類は、大勢が正常に萌出していたと考えられますが、現代人は、顎の退化(進化?)などが原因で、変な方向に、埋まって出てこない、ちょっとだけ出てくる、そもそも無い…。などの状態にあります。
きっちり出てきている状態であってもなくても、磨きにくい場所であり、歯肉の状態であるため、症状が出やすくなります。
親知らずの症状について
1.虫歯
わかりやすいのは、「親知らず」が虫歯になる…これは、通常のう触治療、または抜歯等の対象になります。
しかし、多くの場合、大きな虫歯がなくても痛みや腫れが出る事があります。これは、感染による症状です。その部分の痛み、腫れ、違和感、開口障害、喉の痛みなどが症状になります。
2.感染
病原菌が原因です!とはいっても、口の中に突然、菌が大量に入ってきて…なんて事は多くありません。
口の中には、常在している菌が沢山います…いつもはある程度バランスがとれていますが、患者さん自信の体力、抵抗力が落ちると菌が優勢になり症状が現れやすくなります。疲れている時…忙しいとき…季節の変わり目などに症状が出やすいのはこのためです。
治療(抜歯)について
症状がある時は、受診してください。口の中の状態を確認し、レントゲンを撮り、 まずは応急処置、投薬などで症状は軽減されるはずです!
重篤な症状の場合、大学病院等に入院しての加療が必要になる事もあります!
多くは、抜歯が必要になると考えられますが、痛い時は人間は麻酔が痛くない時よりも、奏効しにくくなります!早めの受診を。
また、「親知らず」の抜歯は、上下、埋まっているかいないか、症状を繰り返しているか、男女、年齢などで、処置のレベルが変わってきます。また、術後の痛み、腫れなどもそれぞれです。
「親知らず」の状態によっては、抜歯が出来ない、歯科医もいます。(これはそれぞれ、得意分野も違いますので)。
患者様へのメッセージ
私は、東京の日本歯科大学病院口腔外科、大学院口腔外科博士課程、同大学病院において、臨床、教育、研究 に従事した経験があります。それなりの対処は出来るものと自負しております。
しかし、◎◎ここが一番大事!
歯周病も虫歯も、親知らずも菌が原因です!
ぜひ定期的な口腔内のクリーニングを!!!
抜歯(手術)後の注意
- 麻酔が効いている間は,飲食を避けてください.口の中を噛んだり,やけどの原因になります.特にお子様には,ご注意願います.
- 薬は,指示通りに飲んでください.特に抗生物質は血中濃度が維持されないと効きません.薬は,基本的に食後,コップ一杯の水とともに飲んでください.抗生物質,消炎鎮痛剤の一番多い副作用は,腹痛,下痢などです.異常が出た場合は,服薬を中止してください.
- 歯を抜いた部分は,基本的に,まず血がたまり,それがかさぶたのようになり,やがて,肉となり,徐々に骨になっていきます.強いうがいなどで,かさぶたをはがしてしまうと,感染をおこしてしまったり,治りが悪くなったり,激痛をおこすこともあります.
- 抜歯後2,3日は,あまりうがいはしないで下さい.かえって出血の原因になったり,治りが悪くなったりします.歯ブラシも患部は避けてください.
- 必ず血はにじんできます.出血はガーゼ等を噛んで止めてください.圧迫止血が基本です.
- 腫れは,多かれ少なかれほとんど必ずでます.腫れやすい人,腫れにくい人がいるのも事実です.患部を冷やす場合は血行不良を避ける為,冷やし過ぎないようにしてください.腫れは,人間の防御機能でもあります.
- 飲酒,運動,長時間の入浴など血行を良くしてしまうような行為は,痛み,腫れを助長します.
- 深く埋まっている歯などを抜いた場合,抜いた部分の皮膚が,黄色くなってくる事がありますが,内出血が原因なので,徐々におさまります.
- 傷口(抜歯部)を治すには栄養も必要です.腫れで,口があきづらい場合は,市販の栄養補給食品を使用するのも方法のひとつです.
- 抜歯は,機械の修理ではありません.個人,個人状態が違います.歯の状態だけではなく,例えば,糖尿病の方は,傷が治りづらく,また,心臓の薬を飲んでいる方は,血が止まりにくい場合があります.ご理解願います.
- その他,ご質問があれば,スタッフまで.